パチンコ法人が成功し易い新規ビジネスとは?
シニアコンサルタント 奥野 倫充
「パチンコに続く良い商売ないですか?」。
私自身もこのテーマで100社近くのパチンコ法人様と面談させていただき、その後も並走させていただいている実感があります。
いわゆる第二本業、第三本業づくりという経営課題です。
そして、その成功事例が出てくる中で、いくつかのルール化ができましたので、今回はそのご提案をさせていただければと思います。
まずもって、パチンコ法人が成功している新規ビジネスの特徴に「稼働率を追求するビジネス」があります。
パチンコ事業も、パチンコ店を作り、そして、稼働率を高めていくというビジネス。
その商慣習と近しいビジネスの相性が良いのだと思います。
その代表例が「インドアゴルフ」「サウナ」「宿泊事業」など。
稼働率を高めていく経営努力は、我々パチンコ業界従事者に自然と染みついた独特の能力なんだろうと思います。
加えて「粗利率コントロール」「料金コントロール」ができるのも相性が良いビジネス。
出玉コントロールと表現した方がもっと判り易いかもしれません。
宿泊事業やゴルフ場ビジネスならば、繁忙期や閑散期。
稼働率に応じて料金を細かく見直してお客様をお迎えする。
出玉コントロールさながらの取り組みができるビジネスは、非常に相性が良い。
そして、この出玉コントロールは、我々パチンコ業界従事者が長年の経験を持って備えることができた特殊能力とも思います。
ただ、ついつい、調子に乗って抜き過ぎてしまうのも玉にキズ。
これもパチンコ業界従事者あるあるでしょう。
抜き過ぎを反省しながらお客様の満足度を推し量っていくというPDCAサイクルが性に合っているとも考えられます。
そんなこんなで、パチンコ法人と相性が良いビジネスはある程度整理されてきたかと思うのですが、ただ、「良い商売ないですか?」という問い合わせに対して、真摯に答えるというのは、簡単ではないとも思っております。
というのも、この問い合わせというのは、子供や学生が「どんな職業に就いたらいいですか?」というのと酷似していると思うからです。
子供や学生から「どんな職業に就いたらいいですか?」と聞かれたら、「医者とか弁護士がいいんじゃない?」「銀行員がいいんじゃない?」など、一般論を答えることはできると思います。
ただ、その本人に相応しい職業をズバリ言い切れるのは親でも無理ではと思うのです。
当の本人が生きてきた中で出会った職業や、あこがれややりがいを感じる職業がその答えで、親や周りの人から言われて簡単に決めるようなものでもないと思います。
まして、ビジネスの成功者であり、経験豊富なパチンコ法人様に「どんな職業に就いたらいいですか?」と聞かれても、気軽に答えるのは無理がある。そう思うようになりました。
それよりも、今までの人生を振り返り、そして、未来に向けてご自身が何に挑戦したいのか?そんなアドバイスはとてもできないな・・・と思っている次第です。
ただ、皆様の「今までの蓄積と、これからの人生を賭けて○○に挑戦したい」という御相談に関しては、その成功確率を高めるご提案はできると思いますし、M&Aを有効活用するようなご支援もできると思います。
最後は突き放すようなご提案にて大変申し訳ないのですが、ただ、小さくまとめようとせず、「今までの蓄積と、これからの人生を賭けて○○に挑戦したい」を突き詰めて考えぬいていただければとも思います。
子供や学生が「どんな職業に就きたいのか?」を考えるように。
皆様の今後のご発展を心からお祈りしております。そして、皆様の壁打ち役くらいはできると思いますので、そんな役割も含めて少しでも我々がお役に立てれば幸いに思います。

信州大学卒業後、1996年に船井総合研究所に入社。1998年より、パチンコホールのコンサルティング支援に従事。ホール企業、メーカー、販社へのコンサルティング活動を展開中。コンサルティングのビジョンは、パチンコ業界の成長発展に貢献すること。著書は『マルハンはなぜ、トップ企業になったか?』『会社の業績を10倍にする番頭さんの仕事のルール』がある。プレイグラフにて『短期ホール立て直し術』を連載中。プレミアムメルマガを週に一回配信中。