コンサルタントコラム 2025/6/27

パチスロBT機の有効活用で機械代削減に成功する方法

シニアコンサルタント  奥野 倫充

6月に入り、BT機が市場導入され始めました。
「予想通り」と表現するのはメーカー各社に大変失礼なのですが、予想通り、爆発的な高稼働は難しい様子。
BT機はAタイプに近いゲーム性ですので、Aタイプが導入当初からの高稼働は見込めないのと同様、この立ち上がりは想定通りともいえるかと思います。
後々、好評価を受けるBT機は、従来のAタイプ名機のように少しずつ稼働を伸ばす機種になるでしょう。
ので、導入当初の稼働状況をみて、短絡的な判断をするのは早計です。

 

加えて、パチスロBT機の登場を機に改めて思い出していただきたい営業戦略の黄金律があります。
それは「入れ替えコーナー×30%」という黄金律です。
パチンコ業界は大型化が進み、設置比率よりも設置台数が重視される傾向となりましたが、そんなご時世においても、設置比率というのは大事と思います。
そして、「入れ替えコーナー×30%」は古今東西変わらない黄金律とも思います。
ちなみに、「入れ替えコーナー×30%」というのは「70%を入れ替え不要機種に」というのと同義。
入れ替え不要機種というのは、半年から一年以上の長期運用が見込める機種のことです。
北斗の拳やモンキーターン等、AT機のヒット機でもOKですし、もちろん、ジャグラーでもOKです。
ジャグラーやAタイプの設置比率を増やすことの戦略的意義は、やはり、「入れ替え不要コーナーが増えること」に尽きると思います。

 

入れ替え不要機種が増え、「入れ替え必要コーナー」が50%→40%→30%・・・と減っていくと、各段と営業効率が良くなる。
逆に、入れ替え必要コーナーが多いと、新台が高稼働しないので、機械投資の費用対効果が下がってしまう。そして、新台の機械代が膨らんでしまうという悪循環が起こります。
ただ、「入れ替えコーナー×30%」というのは非常に良いバランスで、短命に終わる新台においても、導入時に高稼働を実現することができ、そして、ある程度の稼働を保った状況で次の新機種に変えれるという好循環となる。
それが「入れ替えコーナー×30%」の黄金律です。
ただ、これが25%→20%・・・となると、入れ替えコーナーが少な過ぎるという非効率が生まれる感もあります。
やはり、「入れ替えコーナー×30%」が黄金律なのです。

 

そして、「入れ替えコーナー×30%」を実現するために北斗の拳やモンキーターン。
ジャグラー等で設置比率70%を実現できるホールはごく少数と思います。
実現できないので、入れ替えコーナーが50%→60%・・・と高まってしまう。
AT機の入れ替えを続けていると、「入れ替えコーナー×30%」の黄金律に近づくのは非常に難しいと思います。
ただ、そんな課題を解決するのが、Aタイプに加えて今回のBT機となるでしょう。
高稼働しなくても良い。
店平均稼働程度であれば十分GOODで、「入れ替えしなくても良い機種」として計算できれば、BT機の役割としては大成功です。
また、BT機はAタイプよりもコイン単価が高まることもあり、Aタイプよりも台粗利が多く見込めるメリットもあります。
BT機の存在が入れ替え不要コーナーという計算が立ち、台粗利もそこそこ見込める。
そのような機種となれば、BT機の導入は大成功と言えます。

 

話をまとめますと・・・BT機は、導入当初の高稼働を期待する機種でもなく、大量の新規顧客を誘引するような機種でもない。
それよりも、「入れ替えコーナー×30%」の黄金律に近づけるための機種です。
BT機を増やしていくことで、少しずつ入れ替え不要コーナーが増えていく。
そうすると、AT機新台の導入効率が高まる。
そんな好循環をイメージしながらBT機の設置比率を高めることにチャレンジしていただければと思います。

担当者
シニアコンサルタント
奥野 倫充

信州大学卒業後、1996年に船井総合研究所に入社。1998年より、パチンコホールのコンサルティング支援に従事。ホール企業、メーカー、販社へのコンサルティング活動を展開中。コンサルティングのビジョンは、パチンコ業界の成長発展に貢献すること。著書は『マルハンはなぜ、トップ企業になったか?』『会社の業績を10倍にする番頭さんの仕事のルール』がある。プレイグラフにて『短期ホール立て直し術』を連載中。プレミアムメルマガを週に一回配信中。