コンサルタントコラム 2020/4/27

コロナ時に重要なマネジメントとは?

シニアコンサルタント  奥野 倫充

いつも船井総研コンサルタントコラムをご愛読いただきありがとうございます。奥野倫充です。

 

新型コロナウイルス感染症に罹患された皆さま、

および関係者の皆さまに心よりお見舞い申し上げますとともに、

1日も早い収束を心よりお祈り申し上げます。

 

——————————

最初に、パチンコ経営での新型コロナウイルス関連の対策について、お悩みの方は下記のコラムをご覧ください。

 

【バックナンバー】

 『【コロナ対策にお悩みの経営者様へ】

https://funai777.funaisoken.co.jp/consul_column/line20200417/

 

  『コロナ感染拡大時における財務対策

https://funai777.funaisoken.co.jp/consul_column/line20200423/

 

 

1.休業時の自宅待機スタッフにしてもらう仕事とは?

前の原稿でも触れましたが、中国はコロナ対応の先進事例です。
日本の現在(4月末)の状況は、中国の1月末に酷似している。
中国在住の弊社コンサルタントはそう申します。

そして、その中国は、少しずつですが経済再開に向けて動いています。
経済再開に向かえる背景としては、徹底的な感染拡大封じ込め策を実施したこともあるでしょう。
日本においても、一刻も早くその状況を迎えたいものです。

話は変わりまして、そんな中国在住のコンサルタントに
「休業時、有店舗ビジネスにおいて、自宅待機のスタッフにしてもらう仕事は?」という質問をしてみました。
(他にもいろいろしているのですが、まずは、象徴的な質問からです)

その返答は、
「経営者がスタッフに安心してもらえるような発信をし続ける事。振り返ってみると、それが一番大事だった。
また待機期間は短期間だったこともあり、差し当っての業務指示は実際なかった」
とのことでした。

経営サイドとしては、「給料を払っているのだから、何か仕事をしてもらわないと・・・」
と発想してしまうのは当然。
しかし、中国の事例をお聞きするに、休業時の自宅待機スタッフとの間には、
まずもって最も大事なのは、強固な信頼関係維持では?と思います。

コロナ対応真っ只中の我々としては、とても長い時間に感じますが、
一足お先に抜けた感のある中国では「短期間だった」と振り返る話なのです。

確かに、(恐らくですが)何か月も待機をしてもらうわけではない。
まずもって大事なのは、「経営者からスタッフへの発信」と思えます。

2.コロナ対応前半~中盤の業務一覧

また、上海のコンサルタントからは、コロナ対応時の必要業務を一覧でいただきました。
ただ、パチンコ店に当てはまらない部分もあったので、その部分は私なりに翻訳させていただいております。
まずは、共有させてください。

【前半】
(1)資金調達
(2)最低限の支出に見直し
(3)スタッフの安全、健康管理
(4)店舗、本社、倉庫・・の除菌消毒
(5)国及び地域が発表した情報を収集

日本も前半戦は過ぎた感があるので、これは既に対応されていることが多いと思います。
振り返ってみると、対応に追われるというのが実際の所かと思います。

【中盤】
(1)長期化を見据えたキャッシュフロー対策
(2)経営戦略臨時委員会の設立。資金繰りと投資バランスの再評価
(3)提供するサービスを絞り込み、既存のお客様向けのサービス提供を実施
(4)長期化を見据えた給与体系見直し
(5)赤字業務、赤字店舗の見える化。赤字業務、赤字店舗の整理・整頓
(6)コスト削減のための取引先見直し
(7)主力店舗のビジネスモデルを磨き込み収益性を高める
(8)オンラインの新規事業部門を立ち上げる
(9)契約した保険の範囲を再確認。新たな保険を契約する必要性を検討
(10)有効な販促計画を制定する

中盤になると、コロナの対応に追われる部分の比率が少し減り、将来を見据えた準備が少しずつ出てくる感じです。
また、再開直後の店舗に必要と思えるのは(3)及び(7)となるかとも思います。

特に、整理・整頓すべき業務や店舗のこと。
そして、自社ではどの店舗の取り組みを磨きこんでいくのが良いのか?
といった事項を増やしていくべきと感じとれる一覧です。

3.コロナ対応後半の必要業務一覧

そして、中国のコンサルタントから頂いたコロナ対応後半の業務一覧になります。

【後半】
(1)重要ポジションの採用強化
(2)出店候補地への交渉開始。出店に向けての経営資源を確保する
(3)取引先の見直し
(4)新業態の開発。及び新規事業開発
(5)業務提携及びM&A推進
(6)業務細分化により必要に応じての専門部署立ち上げ。及び子会社化

前半の取り組み事項と比較すると、かなりの急ハンドル経営が求められることがよくわかります。
また、経営者には、気持ちの切り替えも重要に思えます。
また、このような業務一覧をみていると、2021年2月以降に向けて準備していたことを
前倒し&急ピッチで進めていくということなのかな?とも思います。

個人的には、各社様にて、後半に向け、準備をお願いしたいのは

(1)自社の主力店舗の磨き込みに再投資するか?orもしくは新規事業への参入に投資するか?
(2)人材採用及び候補物件獲得は大チャンス到来

です。対応に追われるだけでなく、上手く、気持ちを切り替えていただきながら
ピンチをチャンスに変えていっていただければとも思います。

4.起こることは必要・必然・ベスト

この急展開についていけるか?という感じもありますが、
ただ、生前、船井幸雄が申していました「起こることは必要必然ベスト」と考えて行くのが良さそうです。

コロナのおかげでスピード感を持って推進することができた。
それくらいの気持ちで進めるのが良いのではないでしょうか?

繰り返しになりますが、2021年2月以降に向けて準備していたことを
前倒し&急ピッチで進めていくだけとも思います。御検討いただけますようよろしくお願いいたします。

船井総研では、業界の生き残りをかけて経営者様により最新の情報を早くお届けを
今後も考えております。もし資金繰りや今後の営業、経営戦略、事業のポートフォリオ設計など
経営の幅広いご相談を受けていますので、お困りなことがあればお気軽にご相談をいただければ幸いです。

◤新型コロナ対策 無料経営相談窓口◢

船井総研では、業界の生き残りをかけて経営者様に最新の情報をいち早くお届けすることを考えております。
もし資金繰りや今後の営業、経営戦略、事業のポートフォリオ設計など経営の幅広いご相談をお受けしておりますので、
お困りなことがあればお気軽にご相談をいただければ幸いです。

【新型コロナ対策 無料経営相談窓口フォーム】
https://lp.funaisoken.co.jp/mt/sfunai777jp/inquiry-form.html

担当者
シニアコンサルタント
奥野 倫充

信州大学卒業後、1996年に船井総合研究所に入社。1998年より、パチンコホールのコンサルティング支援に従事。ホール企業、メーカー、販社へのコンサルティング活動を展開中。コンサルティングのビジョンは、パチンコ業界の成長発展に貢献すること。著書は『マルハンはなぜ、トップ企業になったか?』『会社の業績を10倍にする番頭さんの仕事のルール』がある。プレイグラフにて『短期ホール立て直し術』を連載中。プレミアムメルマガを週に一回配信中。