コンサルタントコラム 2020/4/24

【コロナ対策】第二本業を「検討する事項」から、「実行が必要不可欠」となる時流に適応する

シニアコンサルタント  奥野 倫充


 

1.パチンコ業界へのバッシングが始まったのは東日本大震災から

本日のメルマガでは過去の時流の変化を踏まえ、コロナの状況下で経営者が戦略を決定するうえで大事なことをお伝えします。
 
まずパチンコ業界へのバッシングを明確に体感できるようになったのは、
東日本大震災が起こった2011年3月以降です。
 
関東地方を中心に電力不足が深刻な中、
当時の東京都知事だった石原慎太郎氏がパチンコ店と自動販売機の営業継続について
コメントしたのが象徴的な出来事でした。
 
店頭のネオンを消したり、開店時間や閉店時間を見直したり。
輪番停電に協力することももちろんです。
多くのパチンコ法人が電力不足に積極協力しました。
 
ただ、電力不足への協力は表面的なこと。
東日本大震災を機にパチンコ法人の経営に求められるようになったのは
「世論にも支持される企業とは?」だと感じます。
 
ファン人口約1,000万人といわれるパチンコは、ある意味独特でマニアなファンが多いです。
そのマニアックなファンに支持されるだけのパチンコ経営は×。
パチンコという業種そのものが、世間の時流とかけ離れた存在であるのが×。
それが明確に突き付けられ始めたのが東日本大震災以降だと感じます。
 
東日本大震災以降、パチンコファンはますますマニア化している傾向が強いと個人的に感じますが、
そのマニアの支持に焦点を充てた経営スタイルのパチンコ法人は行き詰っている印象があります。
 

2.「東日本大震災」後に業績を飛躍させたパチンコ法人の事例

東日本大震災当時、パチンコ店2店舗を経営していた法人A社は、
パチンコ以外にも飲食業やウェディング事業、不動産業という業種を経営される企業様でした。
 
ただ、企業全体に占める利益の内訳はパチンコ事業が主。
東日本大震災当時のA社はパチンコ事業に大きく依存する経営体質だったのです。
 
ただ、そのA社は、東日本大震災後、
時流の変化を受け、パチンコ事業に依存する経営体質を明確に方針転換する戦略決定をされます。
 
経営者にお話をお伺いすると、
「震災直後、自社の飲食店倉庫にあったロマネコンティをスタッフと一緒に開け、その決意しました」
とおっしゃっていました。
 
パチンコ事業における大型化の時流。
大手法人が寡占化し、規模のメリットを追求していくことになる時流は、
東日本大震災以前から予測されていたことです。
 
A社にとっては、東日本大震災によるパチンコ事業の業績ダウンは借入をすればなんとかしのげる。
ただ、10年後のビジョンが見えない。
以前よりそのお考えをお持ちだったA社は、
当時はいばらの道となる「パチンコ店の利益に依存しない経営に」という決断をされるのです。
 
そして、震災から約10年が経過した現在、
当時は1店舗だったウェディング事業が約50店舗に。飲食事業も拡大されています。
そして、パチンコ事業は2店舗から1店舗に縮小されています。
 

3.不況期を機に潮目が変わる時流適応のコツとは?

私は、不肖ながらも時流を予測し、それを元に企業経営のお手伝いをする経営コンサルタントをしています。
そんな私から見て、経営者という職種の方は、時流予測に関して、
コンサルタントよりもはるかに優秀で能力が高く
、そして、行動力もあるので適確な経営判断をされる方ばかりと思っております。
 
経営コンサルタントには経営者の意思決定を補完する程度の役割しかできないし、
経営コンサルタントを上手く使っているというのが経営者の本音とも思います。
 
そんな経営者の方々には、以前より「いずれ、○○になるだろうな・・」
という時流予測はお持ちの事項が多いと思います。
 
東日本大震災当時もそうでしたが、今回のコロナショックもそれが現実化するだけ。
皆様が予測している範疇を超えることはないと思います。
ただ、以前より考えていたいばらの道が「検討事項」から、「実行が必要不可欠」になるだけ。
残念ながらネガティブの想定に進んでしまうだけ。そう思います。
 
例えば、私が予測しているのは、コロナショック後に
明確に「検討事項」から、「実行が必要不可欠」となる時流として
「資本と経営の分離」「日本全体が抱える成熟化時流への適応」等であると考えられます。
 
大きな投資額が伴うパチンコ事業においては、多くの企業がオーナー≒経営者でした。
ただ、それが企業の成長を妨げる様々な弊害になっている企業様もあります。
 
「資本と経営の分離」というのは、
より一層、パチンコ事業で必要な巨大資本を事業拡大へ
冷静に投資できる決断ができる経営者が舵取りをしないと大手法人の寡占化という時流に適応できない。
 
オーナー経営者が×ということではありませんが、資本に関しては個人的な感情を持たずに、
冷静に資本を事業拡大に投資できるというのが重要ポイントだと思います。
 
また、「成熟化時流への適応」とは、パチンコ事業の拡大や経営を真剣に考えながらも、
成熟化という時流を踏まえて、「第二本業」を真剣に考えて実行していくことが必要不可欠になる。
 
ちなみに、パチンコ事業で順調に事業拡大している企業においても
「第二本業」「第三本業」の事業を持つ企業は多くあります。
そちらもしっかり成長軌道に乗せられているのです。
 
また、「検討事項」から、「実行が必要不可欠」となる時流適応において、
最も難しい決断は「先行きの見えにくい既存事業からの撤退」です。
いわゆる退路を断ち、いばらの道を突き進むという決断になるのですが、
これが一番難しいしパワーが要る。経営コンサルタントとして、経営のお手伝いをしているとそう感じます。
 

4.「あの時はいい経験をさせてもらった」を楽しみに不況期の意思決定を実行する

コロナショックで様々なことが時流変化すると考えられます。
ただ、総じて、それは以前から考えられていた
「いばらの道」が正解だったということが多いのでは?と思います。
 
経営者の方々は、少なくとも我々コンサルタントよりもはるかに優秀で時流予測が上手です。
皆様が抱いておられる「いずれ、○○になるだろうな・・」という時流予測を「検討事項」から、
「実行が必要不可欠」に切り替える必要が出てくるのが不況期の経営と思います。
 
ただ、その決断をしても後ろ髪を引かれることばかりでしょう。
経営コンサルタントをしながら、
そんな経営者の方々の後ろ髪を断ち切るような仕事もさせていただいているのですが、
そんな意思決定も、振り返れば「あの時はいい経験をさせてもらった」と楽しみに変わるはずです。
 
本原稿が、皆様が予測されている「いずれ、○○になるだろうな・・」
いばらの道の選択を楽しんで決断していく機会にしていただければとも思います。
 

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担当者
シニアコンサルタント
奥野 倫充

信州大学卒業後、1996年に船井総合研究所に入社。1998年より、パチンコホールのコンサルティング支援に従事。ホール企業、メーカー、販社へのコンサルティング活動を展開中。コンサルティングのビジョンは、パチンコ業界の成長発展に貢献すること。著書は『マルハンはなぜ、トップ企業になったか?』『会社の業績を10倍にする番頭さんの仕事のルール』がある。プレイグラフにて『短期ホール立て直し術』を連載中。プレミアムメルマガを週に一回配信中。